爽やかな初夏の風が頬に触れて羽根はたま重い瞼を開いた。
体が重く感じられるのは、雫があまりにも激しく羽根を抱いたからだと思って寝返りを打とうとした羽根は下半身の違和感にゾッとした。
まだ雫のものが入っている。よく見ると雫の両腕がしっかりと羽根を抱きしめながら眠っていた。だから身動きが取れなかったらしい。
違和感はまだ繋がったままということで後ろの雫はまだ堅さを保っている。
「や・・・・」
羽根が小さく呟いて体を離そうとすると、その体をしっかりと抱きしめられた。
「えっ・・」
羽根が雫の顔を覗き込むと間近にあった瞳が開いた。
すっきりと形の整ったナイフのような目尻に黒い瞳が羽根を映し出している。
「おはよう、気分はどう?」起き抜けで少し掠れた声がセクシーに感じられる。
羽根は何も言わずにその瞳をじっと見つめていた。
「羽根が勝手に眠っちゃったから抜くに抜けなくてね。私はまだ放置されたままなんだけど」
雫はそう言いながら少しだけ羽根の中にある楔を動かす。
「うっ・・や・・・」
「嫌じゃないでしょ、ちゃんと責任取りなさい」
ずっと優しかったはずの雫の口調が怒ったような口調に変わると、流石に羽根も驚いて
体を強ばらせた。
「いい子だから、もう少し我慢するんだよ」
すると雫はまた優しい口調に戻って羽根の顔に口づける。
「いい子だね」
あやすように優しく、だがねっとりとした淫靡なキス。
羽根の体はその口づけにほぐされていった。
自分の体の中が貫いている楔に絡みついていくのが自分でもわかる。
認めたくなくてもそれがはっきりと感じられた。そして体に埋め込まれている雫の楔はいっそう熱を含み火傷しそうなほど熱い。
「動いてもいい?」
耳元でそう呟かれて羽根はコクンと頷くと、今まで治まっていたものが羽根の内壁を擦り上げた。
「ああっ・・・いやぁぁぁぁ」
起きたばかりで体がまだ完全に目覚めた状態ではない羽根は、雫の楔が動く違和感に悲鳴にも似た声を上げる。
だが、雫が数回その中を掻き回すとそれは甘えたような鼻にかかった声に変わった。
「ううん・・・くふ・・んん」
雫は何度も羽根の頭を撫でながら、それでもしっかりと羽根の蕾に埋め込まれた楔を抜き差ししはじめた。
最初はゆっくりと動いていたが、次第にその動きは早められていった。
病院の白いベッドが音を立てて軋む。
やがて雫は羽根の白い体の上に欲望を吐き出した。
羽根も同時に雫にしがみつくと何度も体を震わせた。
そのまま2人は落ち着くまで抱き合っていた。
<「恋占い」次章へつづく>
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