最初は冷静に語っていた翔太も次第に酒の力で泣き出したり怒り出したりしてきた。
※ここからは18歳以上の方のみどうぞ
[0回]
光長もそこそこつきあって、そんな翔太を慰めながら話を聞いてあげた。
「ところで君は好きな人はいるの?」
思いつきで翔太に尋ねられて光長はふと雅秀の顔が浮かんだ。
だがそれは絶対にあり得ないと苦笑すると、翔太が言った。
「やっぱり男だよね」
「あんまり嬉しくない指摘だね。僕は男が好きな訳じゃないんだよ。でもなんだか好かれるんだよね」
「蜜だよ」
「え?」
翔太が光長に顔を近づけた。
蜜と言われて何のことだろうと光長は首を傾げた。
「君は花の蜜、でミツバチたちはその蜜の匂いに誘われて集まってくる。きっと君を味わったら忘れられない味なんじゃないかな。俺はそう思うよ」
くんくんとふざけて顔を寄せてくる翔太に光長は笑って答えた。
「キスしていい?」
光長は酔った勢いもあってコクリと頷いた。なんだか今なら翔太とどうにかなっても良いような気がする。
翔太が光長の唇にそっと唇を重ねてきた。すぐに僅かに開いた唇の間から少し酒臭い翔太の舌が入ってくる。光長も酔っているせいかその舌に自らの舌を絡めている。
なんだかこうしているとずっと前から恋人同士だったような錯覚に陥る。
翔太は酔っているせいか女性にするような優しいキスをしている。
光長はそんなに優しい口づけをされたことがあまりないので逆に緊張した。
緊張している光長に翔太は囁く。
「ねぇ、もっといい?」
光長は何も言わずにゆらゆらと瞳を揺らしながら翔太を見つめている。
翔太の指先が光長の前髪をかき上げた。
「きれいだ」
耳元でまた囁かれて光長の背筋から甘い予感が全身に染みわたっていった。
シャツのボタンを丁寧に一個ずつ外す翔太を光長はじっと見つめている。
すると翔太は何度でも光長の唇にその唇で触れるのだった。
全てのボタンが外されると中に着ていたTシャツに手をかける。
その際に邪魔なシャツは光長の体から滑らせて袖を抜いた。Tシャツも一気にめくり上げて脱がされると空気が素肌に触れる。
「は・・・」
光長は貧弱な体を翔太の目の前に晒している恥ずかしさにほんのりと顔を赤くした。
「こうして桜色に染まった肌もきれいだ」
耳に染みつくほど何度も「きれいだ」と繰り返された。
翔太の指先がきれいな光長の白い肌に触れるとその指先は激しく動き出した。
「やっぱり君は蜜だね」
<「弦月」翔太の部屋にて3へ続く>
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