心地良い声も聞こえる
これは歌か?聞いているだけで心の中が透き通っていくように透明な声が聞こえてくる。
髪を剥くように何度も触れてくる指先も心地良い。
このまま目覚めるのを忘れてしまいそうなほどだ。
こうしているとここ数年、ずっと気をはりつめていて、ゆっくり休んでいなかった。
誰だっけ?兄さん?違うな・・・
ああ、俺が大好きだった人
優翔・・・
月深はゆっくりと瞼を持ち上げると優翔の膝の上に頭が乗せられていて
その髪を何度も撫でながら優翔は優しい瞳で見下ろしていた。
歌はまだ続いている。
心地良い声とメロディに癒されながらようやく動いた右手でその頬に触れた。
「ん?」
せっかくのメロディがとまってしまったことに月深は少しだけ残念に思う。
「おはよう、よく眠っていたから」
眩しい笑顔が自分ひとりのものだと思うと幸せすぎて死んでしまいそうだ。
「アイシテル」
まだおきたばかりで声が掠れていた。
だが、優翔にはちゃんと伝わっていた。
髪を撫でていた手がそのまま月深の唇に触れる。
唇に触れながら優翔の顔が近づいてくる。
「やべ、煽るから、またしてくなってきた。月深、俺お前がおかしくなるまで抱いてもいい?」
真顔でそんなことを言うから月深はクスッと笑った。
「こんなに幸せなのに狂うはずがない。俺がお前の寿命を縮めてやんよ」
両腕を優翔の背中に回すと、どちらからともなく長いキス・・・
こんなに不釣り合いの男同士で一生なんて望まない。
けど、お互いが欲する限り一緒にいられたらそれでいいのかもしれない。
優翔・・・俺はこの時が来るのをどんなに心待ちにしていたかわからねぇ。
まだまだ障害はあるけど、お前がいればなんとかなりそうだよ。
「なぁ、月深・・・ところであいつ・・・竜一みたいなプレイってさ、お前好きなの?」
月深は優翔に
「優翔にならされてもいいよ」
等と笑顔を向けると優翔はそれだけで月深をベッドに押し倒した。
おしまい
読了、お疲れさまでした。
web拍手をありがとうございました。
長らくお待たせして、ようやく完結しました。
どこがヤクザ者だよ(>_<)!!
と批難の声が聞こえてきそうです・・・すみません・・・最初の設定と大幅に狂った展開。
プロット通りに進めて敷いたつもりなんですけど・・・本当に失礼しました^^:
次作なんですが
王様と奴隷みたいなBLの王道的な話を考えています。
時間が許す限り書きたい気持ちは山々なんですけど、いっそのことオフにしようかな~
お金払ってまで読みたい話じゃないですよね^^;
それではまたぜひお会いしましょう^^/
ありがとうございました!