「はぁ~、疲れたよ。アサドもういいよね」
「マラーク様、マタル様はまだ王様とあちらでご挨拶をされてますよ。もう少しだけご辛抱ください」
ベールを外しながら髪をかき上げるマラークをアサドは見つめていた。
「じゃあ、アサドはこの後何してくれる?」
悪戯っぽくそう言うマラークにアサドは真面目な顔のまま
「ご冗談ばかりおしゃらないで、さぁお戻りください」
だが、マラークはそれとは逆の自分の城の方向に歩き出した。
「冗談だと思うならそれでもいいよ。けどもう疲れたから帰る」
「そんなワガママは許されません。マラーク様!」
アサドはマラークの腕を掴んだ。
腕を引っ張られてマラークは立ち止まった。
「っと・・アサド離せ。お前は主人の私の言うことを」
「聞けません」
マラークはアサドの胸に体を寄せた。
「ねぇ、言うこと聞いてくれたらいいことしてあげるから」
頬をアサドの胸に押しつけながら甘えた声を出した。
いっそのことこのままこのあどけない主を押し倒してしまえるなら
どんなに気が楽になることだろう。
アサドはその手でマラークの肩を掴んで引き離した。
「マラーク様!」
少しだけ怒ったように声をかけると、渋々マラークは戻っていって民衆の前に立った。
誰よりも輝かしいその姿をアサドは年に一度見られることが何よりも誇らしかった。
まるで自分の宝物を皆に見せるかのようにさえ思えた。
そしてすべてを終えて自分の元に戻ってくる王子が何よりも愛おしくて
大切にしておきたくて
今年はマラークがいない
ナジムにマラークの代わりは務まるのだろうか?
ナジムにはあの神々しいまでの輝きは感じられない。
だが、今もアサドの下であえいでいる姿は何とも悩ましい。
「さあ、もう一度言いなさい」
アサドはナジムの蕾に雄を突きつけるとナジムは泣きながら小さな声で
「入れてください」
と言う。アサドはナジムの奥まで突き上げると
ナジムは何度もびくびくと体を震わせながらアサドにしがみついた。
これはこれで愛しいなんて・・・・
どうしようもない思いをアサドはナジムを辱めることでしか
表現できなかった。
<おわり>
あけましておめでとうございます!!
今年もよろしくお願いします!
いきなりSS番外編で失礼しました。
アサドは本当は誰が好きなんでしょう?
心の変化をゆっくりご堪能ください。